Archive für Juli 2007

Inter Face

ベネチア終了後すぐにリハに突入し、本番直前に風邪でぶっ倒れながらなんとか復活して、昨日初日を迎えました。もともと余り薬は飲まない方なのですが、今回ばかりは危機を感じ、解熱剤にビタミン剤にのど飴に、ありとあらゆる薬物を投与して風邪を撃退しました。

フィンランド人の振付家トミーの作品”Inter Face”、今回は2部構成になっており、前半は4月に彼が振付けた私のソロがベースのトリオ、後半はブリットとシュテファンという男女のダンサーのデュオという構成です。なかなか3人が揃うことがなくぎりぎりの状態で迎えた初日は、ゲネプロからもまた大きく変更をしてのかなりぶっつけでした。結果は、まだまだ改善の余地は沢山あるものの良いスタート、という感じで、さらに変更が加えられた今日は昨日に比べ格段に良くなっていた様です。このまま来週まで毎日作品は変化していきそうです。

トミーは創作のプロセスが独特で、振りを付けるということを殆どしない振付家です(笑)彼自身はハンブルグバレエ団やジョフリーバレエ団でソリストとして踊ってきたダンサーで(現在はもう踊っていません)作品にも身体のきくダンサーを好んで使うのですが、彼自身の興味の対象は踊りが踊りになる以前の状態、人の自意識や美意識が身体に作用する瞬間の変化や心と身体のパニックなどにあって、ダンサーを音楽にのせて気持ちよく踊らせるという事はさせてくれません(笑)なんというか、やっている私からすると家から出かける直前の自分を見られているような…いかに化粧でごまかそう、とか、どの服を着よう、とか、急いでるのに靴下が片方みつからない、みたいな部分を人前にさらしているような感覚に近いものがあり、決して気楽なものではないです(笑)お客さんでも好き嫌いがかなり分かれる所だと思います。

こういう作品は滑りやすいし、神経も異常に使うのでとてもハードなのですが、トミーの場合は不思議と彼を信じて体当たりする気持ちになれます。きっとそれは彼自身が自分自身のダンサーキャリアの中でとてもリアリティを感じてきた瞬間で、またそこに人の生の魅力を感じているからなのだと思います。それと実はハマってきた音楽や映画に共通点が沢山あって、根本的な部分で共通の美意識があるから信頼できる、というのもあるのかもしれません。

これがマニアック、ということかも。

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