Archive für 19.7.2009

ふぁ〜っ

と思わず深呼吸をしてしまう。

ベルリンに戻りました。

日本ではあれほど色んなものを食べたかったにも関わらず、思い出せば日本の夏はいつも夏バテで納豆と素麺しか食べていなかった私、案の定夏バテ気味となり、いや、結構食べ散らかしましたが、予定していたほどには食欲が湧かず、割と質素な食生活を過ごして帰ってきました。

今回もとても刺激に満ちた日本滞在でした。

大阪や京都などを久々に訪れ、(なぜ訪れたかは追ってお知らせします)東京とはまた違う日本を楽しみました。
京都の宿がたまたま動物園の隣で、いや、びっくりしました。
真夜中に夢の中で怒号にうなされていると思ったら、目が覚めてもまだそれは続いていて、それが動物園からだと気づくまではプチパニックに。ゾウともアザラシとも判断しづらい、巨大な動物が四の字固めにあってもがいているような奇声が一定のビートを刻み、その上にオーストラリア辺りの鳥が突拍子も無い声で合いの手を入れてくる。その破天荒なハーモニーはもう笑うしか無いんだけど、動物達の奇声はホームシックの叫びのようでもあって、笑いながらも後ろめたさと理性の通じない存在に対する恐怖になんだかぞっとして、いま檻が溶けちゃったりしたら大変、、、とか思いながら、動物園という存在の理不尽さや、安部公房のラクダを吸い込んだカルマ氏について考えたりしているうちに再び眠りに落ちました。それが京都かい、と突っ込まれたら困るんですけどね。

横浜の公演、”鏡像”もとても楽しかったです。
何人かの方から、こういうコラボレーションでは何が難しかったかという事を聞かれたのですが、正直いって今回難しさは自分の中にしかなかったというか。特に今回はテーマがすでに歴史の中にあって、それは日本人である私の遺伝子にもきっと組み込まれていて、私の役目はそこにあるものをいかにキチンと取り出してその瞬間と結びつけていくか、という感じでしょうか。それが何を意味するかは、私が決める事ではなく。

多和田さんの言葉はとても空間的で、私にとっては舞台美術をそこに与えられているようで、つまり、多和田さんの言葉を聞いていると、自分なりのランドスケープが脳内に広がるので、私はそこの中にいる自分を見いだし舞台に繋ぐ、というか。その思考の自由を聴き手に与える多和田さんの言葉の力は本当に凄いです。

そしてアキさんとルイさん。もうくどくなるので、お二人の素晴らしさにはあえて言及しませんが、面白かったのは楽器の違い。ピアノという楽器はなんというか、身体の外にある関係というか、建築的な対話というか。(なんじゃそりゃ)だから言葉遣いに気をつけつつ、関係を盛り上げて行く。だけどルイさんのバスクラリネットは、それが呼吸によって操られるものだからか、いきなりもう身体の内部に存在してくる。うまく言えないけど、霊気だけ抜き取られて持ってかれそうになる感じ?ある意味ダンサーとのコンタクトに近い部分がありました。うっかりそこでベタベタしてしまわないよう、気を引き締めねばなりませんでした(笑)こんな事に気がつけるのも、楽器がもつ可能性を最大限に引き出せる、お二人とやらせて頂けたからに他なりません。。。

バロックから文明開化まで一気に旅した今年の初夏でしたが、明日から一週間はベルリンの子供達との最終リハーサル、8月になったらヘレナ・ヴァルトマンの新作のリハがスタートです。こちらのテーマはアフガニスタンと日本。天才パーカッショニストのモハマドもまた一緒で、映像には元cellの馬場ちゃん。実は去年から、ある種の覚悟を決めてきた作品です。

また、夏だ。

暑中お見舞い申し上げます。

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